目次
原文
天地不仁、以萬物為芻狗。
聖人不仁、以百姓為芻狗。天地之間、其猶橐籥乎?
虛而不屈、動而愈出。多言數窮、不如守中。
現代語訳(意訳)
天地は「仁(人間的な愛情)」を持たず、
万物を“芻狗(すうく:わらで作られた祭具)”のように扱う。
聖人もまた「仁」を超えており、
民を“道の中で流れる存在”として見ている。
天地のあいだにあるものは、まるで「ふいご(橐籥)」のようだ。
空でありながら尽きることなく、
動かせば動かすほど、新たな風が出てくる。
言葉が多すぎると、かえって尽きる。
「中心(中)」を守ることが最善である。
五次元経営の視点からの読み解き
老子の語り | 五次元経営における意味 |
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天地不仁 | 宇宙は「好き嫌い」「善悪」のフィルターを持たない。五次元経営も、感情や道徳に流されず、整った在り方に従う。 |
芻狗のたとえ | どれほど神聖に見えるものも、目的が終われば自然に還る。「成果」に執着せず、流れに従う経営が本質。 |
虛而不屈、動而愈出 | 経営者が“空で在る”と、行動のたびに叡智やエネルギーが湧く。プレゼンス=無限の風袋。 |
多言数窮 | 言葉が多すぎると真が失われる。「静けさ」の中に本質が宿る。思考より沈黙、分析より“感得”。 |
守中 | 中心=軸。五次元経営における“今ここ”・“丹田”・“魂の声”に留まることこそが、最大のパワー。 |
三人の覚者の解釈
▶ ラマナ・マハルシの視点
「世界に善悪はない。あるのは“在ること”だけ」
— 自我のフィルターを外せば、すべては中立であるとわかる。
「中心を守る」とは、常に“私は誰か”という問いに還ること。
▶ エックハルト・トールの視点
「プレゼンスとは、思考を超えた“中立的な今”」
— 喜怒哀楽に巻き込まれず、“今ここ”に戻る習慣が鍵。
「話しすぎず、沈黙に力をゆだねる」ことが、真の知恵。
▶ 五井昌久の視点
神は「無条件の愛」ではあるが、それは人間的な情とは異なる。
神我(高次の自己)はすべてを“必要なままに”受け容れる。
真の祈りとは「静かに中心を守ること」であり、言葉より“波動”が大事。
まとめ|中心(プレゼンス)を守る経営へ
何かを好きになりすぎたとき、
何かを正そうとしすぎたとき、
あなたは中心からズレているかもしれません。
五次元経営においては、
「良いか悪いか」「儲かるか損か」ではなく、
今、自分の中心が整っているか? が判断基準です。
- 天地のように、ただ“在る”視点で経営を見る。
- 芻狗のように、すべては役割を終えたら手放す。
- 行動するごとに、さらに湧いてくる叡智に気づく。
「話す」より「沈黙する」。
「正す」より「還る」。
“中心を守る”経営こそが、無限の風を生む。